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広島大学における教育の民営化の現実②~原発と民主党と広島大学~

BGM
パイレーツ・オブ・カリビアン
 
 こんにちは。ケンヤです。まずこのニュースを見て欲しい。


 日本、インドと原子力協定締結へ
     =岡田外相表明、28日から交渉入り
6月25日16時31分配信 時事通信

 岡田克也外相は25日の記者会見で、インドと原子力協定を締結する方針を明らかにした。28、29両日に第1回の締結交渉を都内で行う。核拡散防止条約(NPT)に加盟せず、核兵器を保有しているインドとの協定締結には政府内に慎重論もあったが、同国での原子力ビジネスに期待する産業界の要請や、地球温暖化防止の観点から、交渉に入ることを決めた。
 核関連技術の移転規制を目的とした、日本などが加盟する「原子力供給国グループ(NSG)」が2008年9月、インドとの民生用原子力の利用協力を例外的に容認。同国は既に米仏ロなど主要国と原子力協定を結んでいるほか、韓国とも締結交渉を進めている。しかし、唯一の被爆国である日本は、国民感情にも配慮し、他国とは一線を画してきた。
 一方、エネルギー需要の増大が見込まれるインドが積極的に原子力発電の導入を進める中、経済界では「日本だけが乗り遅れている」との懸念が高まっていた。
 このため政府は、インドが核実験モラトリアム(凍結)を順守していることを考慮。インドでの原発の普及が温室効果ガス削減にも資することなどから、協定交渉に入っても、国民の理解は得られると判断した。

 まず、この事態に対して何よりも怒りの声をあげなければならない。原発それ自身は街を崩壊させるほど危険性が高く、何度も事故を起こしている。さらには高速増殖炉(日本では「もんじゅ」が最近再開された)においてプルトニウムを抽出し、核兵器を製造するという目的すらある。そんなものは断じて認められない。それを産業と規程し、ビジネス化させることなど言語道断である。大戦中、鉄を製造する業者が大もうけをしたと聞くが、これが「死の商売」としての所以である。原発作業員が何人被爆して、原発がビジネスとして成立するのか・

 だが、これが民主党政権及び、菅首相の性格を表している。何よりその原発をビジネスにしている産業界ってのはどこか。世界の原発受注企業は以下をみてほしい。(06年調べ、「ー」は提携)

  ウエスチングハウス(米)21%-東芝(日)3%
  アレバ(仏)19%-三菱重工(日)4%
  GE(米)11%-日立(日)2%
  その他40%
   である。

 インドに対する受注率は分からないが、今回の協定は、中国につぐ巨大市場のインドに日本企業が原発受注を軸として突進していくという意義を持っていると思う。実際三菱重工と日立が海外向け鉄道システム事業における協業で基本合意(6月22日)という報道がされたが、インドへの原発と鉄道の進出に三菱重工と日立が提携して乗り込んでくるということは目に見えているし、そのためのインドとの原子力協定だと断定できる。

 それは政府が22日発表した、2010年版の通商白書でよりはっきりわかる。白書は、成長著しいアジアの新興国市場の獲得を提言している。都市化の進展で需要が増している原子力発電や高速鉄道などインフラ事業や、医療や文化産業など生活を豊かにするサービスの輸出が市場開拓のカギになると指摘している。そこでの市場規模は8兆ドル(約730兆円)だ。原発受注だけで、インドや中国などを含めれば少なくとも150基が新設され、30兆―40兆円 の需要らしい。それに三菱重工と日立が飛び掛ってきているという非常に分かりやすい構図だ。鳩山前首相の政治資金団体のうち、一番政治資金を出していたのが三菱重工だったらしい。

 教育や医療が市場原理主義に投げ込まれ、それでも儲けることに飽き足らない資本が、今度は原発受注で儲けようとする。チェルノブイリ事故や浜岡原発事故があろうとも、生成されるプルトニウムが核兵器の製造に使われようとも、非人間的な利潤追求に明け暮れることが第一義的になった社会など、社会として終わっているではないか。

 「広島大学における教育の民営化」とはまさにこういう社会状況の中で起きている。簡潔に言うならば、広島大学の「経営協議会」という広大の経営方針を決める最高議決機関に三菱重工が入っているということだ。 →広島大学経営協議会

 僕は「大学がこれで良いのか」ということを考えるきっかけになったひとつが、原発や兵器を受注するトップ企業のもとで大学が運営されているという怒りである。

 そして、この企業の下で運営されている広島大学がどう変わってきたか。それが昨年に新しく建設された現代インド研究センターに見ることができると僕は思う。 →現代インド研究センター

 ここでは、センターの説明としてこう提起されている。

 <現代インド地域研究とは>
 広島大学現代インド研究センターは,人間文化研究機構の地域研究推進事業「現代インド地域研究」の一環として,同機構と広島大学によって2010年度に共同設置された研究拠点です。この事業は当センターのほか,中心拠点の京都大学,東京大学,国立民族学博物館,東京外国語大学,龍谷大学の全6拠点を結び,共同して現代インド地域研究拠点の形成とネットワークの構築を進めています。当センターでは,「現代インドの空間構造と社会変動」をテーマに研究しています。
 
 インドは急速な経済発展を遂げ、世界的な注目を浴びています。こうした中、同国では大都市の急成長、地域格差の拡大、産業集積の発展など空間構造の大規模な変動が起こっています。当センターは、こうした複雑化する現代インドの空間構造と社会変動を追究するために、地理情報システム(GIS)を用いて空間情報を蓄積し表象するとともに、フィールドワークにもとづく地域研究を実施しています

 
 「人間文化研究機構」とは、文科省の所轄です。つまり国家をあげて大学をインドにおける日本企業の進出にどう寄与できるか、という研究をする場所にしているのです。広島大、京都大、東大、龍谷大(広大の提携校)、東京外語大と博物館。これが今民主党の下で行われていることです。

 三菱、日立という大企業を国際競争に勝たすために、国家がある意味「挙国一致体制」になっていることに僕はすごい危機感(それは「戦争」を準備する!)を感じるし、大学がその担い手にされていることにすごい憤りを感じる。

 現代インド研究センターは、それとして「原発」のことを取り組んでいるわけではないけど、こういう国策的な流れの中で起きていることだと捉えるべきだろうと僕は思う。国際的に産業を進出させるためには、現地の文化や宗教、生活習慣の違いや、民族問題等々の経済的観点ではない、精神的・文化的な観点も必要になってくる。そのために大学研究が使われるなど、僕はあってはならないことだと思う。インドの労働者は安く使われ、日本からは職業が減り、原発の恐怖だけが蔓延する社会。人類が豊かになるために教育があるのではなくて、一部の資本家だけが大儲けし、社会の圧倒的多数は不幸せな状況に追いやられるのは、「正しい社会」なのか?

 民主党政権、ひいては資本主義社会とは、僕達学生や労働者のためにあるものではない。消費税10%、法人税減税にみられるように、徹底して資本家のために、労働者や学生に犠牲を強いるために存在している。僕はいろんなことを総合的に見た上で、みんなが幸せになるために何が一番なのか、ということを突き詰めていけば、やっぱり資本主義社会を変えて、資本家から全ての富を労働者の手に没収するしかないと考えます。教育や医療という「資本主義化できないもの」を無理やり資本主義化した結果が、原発受注での利益追求と、大学のそれへの従事です。ならば、「大学の主人公」である僕らが、本当に力を取り戻し、全てを責任もって管理できるくらいになって、大学を奪い返しましょう。学生には力がある。おかしいことには声を上げよう。みんなであげよう。それが、今一番必要なのかなと思います。

・・・byケンヤ
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